人生ゲーム
我が家では、盆・暮れ・正月・ゴールデンウイーク・クリスマスに、決まって子供たちの発案で「人生ゲーム」に家族全員で興じるのが、習わしとなっています。
確か娘が幼稚園年長組の時に購入し、当初娘は妻とチームを組んで参加していましたが、ゲームへの理解が進むにつれて積極的になり、より厳しい設定である"ブラック&ビター"版も購入せよと、せがむ程の熱の入れようとなりました。
結局2種3場面の人生ゲームを、その時の気分に応じて使い分ける事になりましたが、息子も成長と共に多大の関心を示すようになり、ゲーム進行を取り仕切る「銀行」係は、小職又は妻から息子へと、バトンタッチされていきました。
長い期間人生ゲームを続けているので、子供達は自然と、職業を選択して社会に出て働く事・結婚して家庭を築く事・子宝に恵まれて子孫を繁栄させていく事の、其々の意味と重要性を認識し、自らの人生設計にフィードバックする姿勢をみせるようになりました。
一方で、結婚・出産・住居購入・育児・資格取得・社交・種々雑多なトラブル等に、其々必要経費が発生するのだという社会常識を、前提条件として認識できたのは、社会に出ていく者としての土台形成に役立ったと感じています。
また、「借金を抱える事のリスク」をゲーム上であれ、経験できるのは非常に良い事だと思いました。
眼前に自分のキャッシュフローが明示されるので、子供達が資産と負債のバランス感覚を養うきっかけになりましたし、現在の自分の置かれている状況を精査し、将来の自分の収入を見越して(これも危険な事ですが)、敢えて借金をして自宅を購入したり、"ブラック&ビター"版では、配当が上下したり暴落があるからと、株券の購入を手控える等、大人びた判断が出来るようになってきたのを見ると、何だか微笑ましくなります。
仕事や家計にキャッシュフロー理論を導入した頃は、不動産取引を通じて相手を破産させる事を目指すゲーム「モノポリー」や、著名なロバート・キヨサキ氏の金融・財務・投資全般を学べる「キャッシュフロー101」の購入を考えましたが、子供達の思考が投資偏重になって勤労が疎かになることも危惧された為、実現していません。
子供達は、周囲に迎合する必要は無いと思いますが、常に斜に構え、自らは行動せずに、上段から批判めいたことを声高に叫ぶだけの非生産的な人生も、送って欲しくないです。
才知に恵まれるのに越したことはないですが、「美辞麗句・難解な表現・堅苦しい紋切型口調」を駆使した挙句、結局は「知識自慢・体制批判」をするだけの輩にも、なって欲しくないです。
一芸に秀でる事は素晴らしいですが、偶々その分野で先達であるからといって、『余は師なり。』『俺はティーチャーだ!』等と大言壮語し、したり顔で他人を揶揄する輩にも、なって欲しくないです。
他人を『上から目線だ。』と非難しておきながら、自身が『上から目線だ。』と批判されると、『何でお前は、下から目線でしか物を言えないんだ。』と切り返す輩もいるので困ったものです。
かく言う小職も得意分野になると、自分が偉くなったかの如く得々と解説する事が多く、常に自分を戒めていますから、人にとやかく言えませんが・・。
このような「人生ゲーム」では学べない事柄を、子供達は、学校生活・社会人生活で、悩んだり・苦労したりしながら、体得していくのでしょうね。
小職も「人生ゲーム」を楽しんだ一人ですが、その経験を基にして、果たして一端の社会人として社会に貢献しているのかと問われれば、赤面する事しきりです。
ですが、「結婚して家を買い、幸せな家庭を作って億万長者になるんだ!」という夢を持ち、仕事に邁進するきっかけを作ってくれたのが「人生ゲーム」でした。
思い返せば小学校1年生時、級友を招いて誕生日会を催した際に、親が用意してくれたのが「人生ゲーム」でした。
自分自身が子供に買い与える段になって初めて、親の苦労と気遣いを身に染みて実感し、万感の思いを抱いて盤面を見つめる自分が居ました。
テーマ : みんなに知ってもらいたい
ジャンル : 日記
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